ふりかえりの1つの狙いは"学び"を蓄積するということ
ふりかえりの1つの狙いは"学び"を蓄積するということです。 個人、チームの活動の中での出来事、その出来事から発見したことを学びとしてとらえ、次に活かすというのがふりかえりの狙いの1つです。
一方、「○○ができてよかった」「○○に取り組んで学びがあった」で終わっている場面も時々見聞きします。
「○○ができてよかった」に対しては、「どんなことをした/しなかったから、その結果になったのか?」といった問いで、具体的な行動を明らかにするように取り組んでみるのも良いと思います。
こうすることで、明らかになった行動によって良い結果を導き出せるという再現性が高くなるかもしれません(もちろん現実はもう少し複雑ですが)。
「○○に取り組んで学びがあった」のであれば、「その学びを教訓として伝えるとしたら何を記しますか?」とか「新たに知ったことや考えが変わったことはなんですか?」といった問いかけで具体的な学びを見つけてみても良いと思います。このような深掘りを通じて、その学びは他の人にも認知され、使える知識やノウハウになっていきます。
余談ですが、このような学びは必ずしもうまくいったことである必要はないと考えています。たとえば「Xというバグに対してYをやってみたが直らなかった」というのがあれば、"「Xに対してはYは効果がない」ことを学んだ"と言えます。
この学びを得たチームは次にXに出会った時に(Yではなく)違うアプローチを最初から取り、より早く解決できる可能性が高くなります。
"学び"をうまく見つけるには、その出来事の当事者だけでは不十分なこともあります。周りの人が問いかけたり、「それってこういうこと?」といった解釈を場に出すことで、“学び”がクリアになっていくことも多いのです。
このように、"学び"を少しずつでも蓄積していくことでチームとして力がついていき、より成果を出せる可能性が高くなると思います。
もしみなさんの会話がこのように「よかった」「学びがあった」で終わっているならもう一段深く会話してみてはどうでしょう?